新素材-CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
炭素繊維にプラスチック材料を含浸した後,硬化させて成形した複合材料のこと。
強度に優れ,鉄やアルミなどの金属に比べ,同じ強度・剛性であっても,より軽量化できるという特徴を持つことから,ゴルフクラブのシャフトや釣竿などのスポーツ用途から始まって,航空宇宙用途に拡大してきた。 今後は,量産性を改善してコストダウンを進めることにより,自動車や家電製品分野の用途開拓が進んでいる。
我社はこの新素材への加工技術に取り組んでいます。 CFRPは切削性が非常に悪く、工具の摩耗等様々な課題があります。 そんな課題にチャレンジし、CFRPの切削技術を確立することをめざしいろいろな事を試しています。
弊社で行っている加工の一部をご紹介します。
穴加工
CFRP加工用ドリルというものが最近いろいろなメーカーから出始めていますが、本当にどのドリルが適切なのかというところはまだまだわかりません。しかもこのドリルは通常の値段の5倍〜30倍くらいするものまであります。これを全部試して比較するのは難しいので、弊社では各メーカーの加工したデータをもとに同じ加工をしてその性能を見極めていくことを行いました。 結果は炭素繊維の種類や成形にもよるため一概には言えませんが、大きく差がでたものもありました。 穴加工では刃物がいくつでもあればきれいな穴は開けられます。 よってある程度の適切な切削条件があれば後は刃物の寿命が問題なのです。 しかし、この寿命は同一作業をすべての刃物で試してみてわかるものなのでどれが良いとは言えません。しかし値段の割にという物があることは確かです。 こちらもご相談ください。お答できる範囲でご返答します。
チタン同時穴加工
この加工は航空機産業で使われる加工です。 現在はこの加工の多くは手作業です。 マシニングで行えば、送りと回転が調整できますので、特に問題はありません。 もちろん最適な加工条件はありますが、なんどか試していると自然にわかることだと思います。
トリム加工
恐らくCFRPの加工で悩むのはこのトリム加工ではないかと思います。私どもでも幾度となくチャレンジし、いかに剥離やデラミなく加工できかつ刃物の寿命を長く継続できるかということを繰り返し行いました。 また成形時の積層構造等も踏まえて切削方法を見直し、今では完全な形でトリム加工を行うことができるようになりました。そして刃物の寿命に関しては刃物の種類によっても加工方法によっても違うため、現在も最適な加工条件を求め続けております。
ポケット加工
この加工は一部の産業機械などに使われる加工となります。 トリム加工で得た技術をそのまま使えるので難しくはありません。 ただし、通常は繊維をできるだけ切断しない形で最小限の加工に抑える事がCFRPの特性を生かすことができる為、このことを留意し加工に取り組まなければなりません。
3次元加工
基本的にCFRPの3次元加工は素材特性上、好ましくありませんが用途によっては成形でどうしても できない部分を切削で補わなくてはなりません。 この加工は金属の切削と同様に行いますが、炭素繊維を無造作に切断していく加工となりますので 普通に行うと剥離やデラミが通常の加工以上に表れます。 そこで、繊維方向を考えながらアッパーカット、ダウンカットをそれぞれの部分で使用し加工します。 そして仕上げをする時にもあることに注意をし加工していかなければなりません。 まだまだテストカットを続けていますが、一番課題が多い加工です。
以上が弊社の行ってきた加工の一端です。 加工コストという点で、金属加工と同等のレベルまでもっていくことがCFRPを普及させるひとつの要因だと考えています。 更なる技術アップにチャレンジしていきます。
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